薬膳の書

* * * 第二十八弾 * * 「蜆(しじみ)」 * * *

「土用しじみ」「寒しじみ」と呼ばれるように、旬は夏と冬
北海道を除く全国の河川や湖や池などに生息する。 主な産地は、千葉・茨城の利根川河口、島根県の宍道湖、滋賀県の琵琶湖、秋田県の八郎潟。
純淡水産の「マシジミ」や河口付近にすむ「ヤマトシジミ」は一般的によく出回っている。琵琶湖でとれる「セタシジミ」は殻の頭が三角にとがっているのが特徴。他に「アワビシジミ」「ヒメニホンシジミ」「ムラサキシジミ」などがある。殻の表面はオリーブ色または黒色で輪脈があり、内面は紫色。
−シジミ科−


 薬効・効用
シジミのタンパク質は、量は少ないが、卵や肉に匹敵するくらい良質のもの。必須アミノ酸のバランスがとれているので、消化吸収がよく、肝臓に負担がかかりにくい。
肝臓の働きをよくするグリコーゲンやレバーに匹敵するビタミンB12も含む。ビタミンB12は悪性貧血を予防し、神経の働きにも必要なものです。鉄分も充分に含んでいる。
「シジミのみそ汁は酒飲みによい!」と言われるのも、シジミの効用がみそ汁に溶け出し、なおかつ味噌にも肝臓の機能を高める働きがあるので、みそ汁にすると相乗効果があり二日酔いなどにピッタリ!なのです。

 うまみ第一位のシジミ
貝類はうまみが多いとされているが、これは「コハク酸」の働きによるもの。
コハク酸の含量は、シジミ、ホタテ、アサリ、ハマグリの順に多く、栄養価も非常に高いシジミだが、味のよさもシジミが一番なのである。

−選び方と保存−
◎殻がツヤツヤとして大きめで、殻が薄く、色見が濃い
  ものが良い。
◎触れた時に、勢いよく殻を閉じるものは新鮮!
◎殻が開きっぱなしのものは、避けましょう。
◎夏は、砂出しが済んだら、冷蔵しておくとよい。
−調理のポイント−
砂出しする場合は、真水につけ新聞紙などをかぶせ暗くしておくのがポイント!殻の開かないものは取り除く。生食不可!必ず加熱すること。加熱のしすぎは、香り・風味を損ねるので注意が必要!
■シジミのみそ汁■
水に味噌を溶き入れる、火にかけてぬるくなったら、
シジミを加え、口が開いたら、火を止める。

 しじみエキス
肝臓の機能を高め、肝臓病、黄疸の特効薬として利用されてきた。他にも、解熱、利尿、喉の渇きを止める、酒毒をおろす、目を健やかにするなどの効用も見られる。
−作り方−
1.シジミ700gと水1リットルを鍋に入れ、汁が白くなるまで、弱火で煮つめる。
2.汁が最初の1/3の量になったら、ガーゼでこし、汁だけを密閉容器に入れる。
3.冷蔵庫で保存する。毎食後に50ml 位ずつ飲むとよい。

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