薬膳の書

* * * 第六弾 * * 「鰻」 * * *

うなぎには、良質なタンパク質やカルシウム、ビタミンA、Eリンなどがたっぷり含まれています。「目のビタミン」と呼ばれるほど視力に関係が深く、ガンに効果があると言われるビタミンAは、豚肉や牛肉の160倍もの量が入っています。老化防止や成人病に効くビタミンEは牛肉の約10倍、骨をつくるカルシウムは牛肉や豚肉の約70倍も含まれています。だから、夏バテや育ち盛りにいいのはもちろん美容食としてダイエットにもピッタリです。 また、頭が良くなるといわれて話題になったDHA(ドコサヘキサエン酸)も、もちろんうなぎには含まれています。DHAには、他にガンの抑制作用コレステロール低下作用、抗アレルギー作用などもあります。


ウナギ科の魚。夏の土用の丑の日、夏負けせず滋養に効果があるとして、食べる習慣がある。からだは円筒状に細長く、全長1mにもなる。粘液におおわれているので、すべってつかみにくい。体色はふつう暗褐色または黒褐色。川、沼などにすむ。日本各地の河川、内湾などに分布するが、太平洋側の北部と日本海側には少ない。静岡、愛知、三重などで養殖が盛ん。関東の背開きと関西の腹開き。さばき方がちがうことは有名である。


DHAとは、ドコサヘキサエン酸と呼ばれる必須脂肪酸のひとつ。脳のなかで脳細胞を形成する重要な任務を果たしています。 DHAは脳の活動の促進に役立っており、学習機能が高まる、頭がよくなる可能性があると考えられてます。DHAがそのままの形で含まれていて直接摂取できるのは、不思議なことに 魚介類だけなのです。脳細胞に欠かせないDHAを確実に補給するには、 魚介類を食べることが一番良い方法なのです。老人性痴呆症。これは、脳に含まれるDHAの 減少が記憶学習能力の低下を促す要因になっているらしいのです。 とすれば、老人の脳にDHAを増やしてやれば、記憶力の低下を 防げると考えられます。それには魚料理が一番。 すでに老人性痴呆症に陥った場合でも、生き残った細胞を活性化させる ためにDHAの効果が期待できます。
また、ガンの増殖を抑えるだけでなく、ガンの予防にも有効と いわれています。
近頃は、妊娠中の女性が胎教のために、心地よい音楽を聴いたり、 水泳など軽い運動を行ったりすることが注目されています。 しかし何よりも、魚をたくさん摂取して、胎児にわたすべきDHAの補給に励むことが、胎教の基本といえるかもしれませんDHAは母体にいる胎児のころから、摂取が始まっているのです。 胎児の脳が形成される時期に、母体にDHAが不足しているか 充実しているかで、脳の神経細胞の形成が異なってくるため、この時すでに子供の知能指数に差が生じる可能性があるのです。
ビタミンB1は、母乳の出を良くするために必要なビタミン。産後の体力回復にも一躍かうのである。
成人病は、そのほとんどが動脈硬化に基づく循環器系疾患です。 最近では成人ばかりでなく、10代の若者にもすでに初期兆候 が見られる という報告もでています。 エスキモーには、動脈硬化はもとより、脳軟化や脳血栓なども ほとんどみられません。「魚やアザラシをたくさん摂取しているためであろう」 と、研究者たちは報告しています。 魚やアザラシに含まれているEPAとDHAが体内で有効に働き、 動脈硬化を防いでいるというのです。また、体内のコレステロール代謝を 正常にする作用もありますので、それらが動脈硬化の予防に 役立っていると考えられるのです。また、ビタミンEは、体の中で不飽和脂肪酸の酸化を抑え、血管をリフレッシュさせて若さと健康を取り戻します。また、肝臓にも良いと言われています。

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