薬膳の書

* * * 第三弾 * * 「粟・稗・黍」 * * *

粟(あわ) 稗(ひえ) 黍(きび)
草丈150cm前後のイネ科植物
主産地は岐阜県、長野県、岩手県など。寒冷地の春粟と温暖地の夏粟がある。穀粒の色分けがあり、橙・黄・赤・灰・黒・白がある。5〜6月に種をまき、9下旬〜10中旬ごろ収穫。
草丈1m前後のイネ科植物
主産地は、岩手県、青森県など。5月下旬〜9月中旬ごろ収穫。飼料用となるワラも副産する。
冷害、湿害、酸性土壌や塩害に強い
草丈1m前後のイネ科植物
主産地は、長野県、岩手県、富山県岡山県など。4月の春蒔きのものは7月末〜8月のお盆頃収穫。6月に種を蒔いたものは、9月末〜10月上旬収穫。
効能
腎臓の働きをよくし、脾臓や胃の熱を取り去る働きがある。
また、低カロリー。
効能
たんぱく質、脂肪が多く、栄養的にほかの穀物より優れている。

効能
脾臓や胃の働きを助ける作用あり。

炊き方
5〜6回とぎ洗いし、一晩、浸水したあと、もう一度アクをとって、1.6倍の量の水と塩少々で炊飯する。スイッチが切れた後、10〜20分くらい蒸らす。米と混炊飯する時は、1、2割の割合。穀物のコクが加わる。

炊き方
5〜6回とぎ洗いし、一晩、浸水したあと、もう一度アクをとって、1.6倍の量の水と塩少々で炊飯する。スイッチが切れた後、10〜20分くらい蒸らす。どちらかというと、米との混炊飯は不向き。
炊き方
5〜6回とぎ洗いし、一晩、浸水したあと、もう一度アクをとって、1.6倍の量の水と塩少々で炊飯する。スイッチが切れた後、10〜20分くらい蒸らす。米と混炊飯する時は、1、2割の割合。甘味と少しほろ苦い感じ。
濡れ手で粟
粟おこしを食べたことありますよね。小鳥のえさとしても一度は見たことがあると思います。濡れた手で、粟をつかめば、骨を折らずにたくさんくっついてくることから、何の苦労もせずに上手いことをしたり、簡単に物を手に入れたりすることのたとえ表現。一攫千金と同じようなこと。
お茶碗もって
日本人の習慣として、お茶碗をもって食べることは、習慣となっています。世界的にもあまり例をみない珍しい習慣だそうです。どうしてでしょうか?古来、ヒエを食してきた日本人ですが、ヒエは冷めるとパサついてしまいます。箸で食べると、ポロポロこぼれてしまう。そんな名残があるのではないかともいわれています。
ご存知!桃太郎
桃太郎さん、桃太郎さんお腰につけたキビ団子...三つのなかでも一番身近なものとなっているのではないでしょうか?
炊き立てのキビをすり鉢に入れ、トントンつくと、黄色いお餅になります。きな粉、うぐいす粉をまぶすとキビ団子のできあがり。すまし汁の椀ダネや海苔でまいてもおいしい。

* * * 五 穀 * * *

古来、人が常食とする五種の穀物。「米」「麦」「粟」「黍」「豆(大豆・小豆)」の五種類
書籍によっては、「黍」であったり、「稗」であったりです。

五穀豊穣...1度は耳にしたことありますよね。上記の五穀の収穫祈願・収穫祭ということですね。五穀をつかさどる神。五穀をつかさどる神とは、稚産命(わかむすびのみこと)、倉稲魂命(うかのみたまのみこと)、保食神(うけもちのかみ)をいう。


* * * 七草粥 * * *

1月7日には七草粥を食べますが、おせち料理でもたれた胃にはありがたいし、季節感もあってなかなかよいものです。しかし、もともとは草を入れるものではありませんでした。奈良時代には、「七種」と書いて「ななくさ」と読み、七種類の穀物の粥を食べていたのです。その七種の穀物は、「米」「大麦」「小麦」「粟」「黍」「大豆」「小豆」。それが平安時代になると、春を待つという季節感も加わり、七草になりました。

◆春の七草◆
せり、なずな、ごぎょう、はこべ、ほとけのざ、すずな、すずしろ
今の1月7日では、まだまだ寒くて七草が芽を出すにはほど遠く、七草粥を作ろうと思えばスーパーで買う方が早いですが、旧暦だとちょうど暖かくなり始め、若菜摘みも可能な頃。

◆ちなみに、秋の七草◆
はぎ、おばな、くず、なでしこ、おみなえし、ふじばかま、ききょう


あけび高きび薬膳目次