薬膳の書

* * * 第十四弾 * * 「ナツメ」 * * *

中国原産での果実で、2〜4cmの実がなります。
名前の由来は夏に芽がでるから「ナツメ」という説もある。茶道で使われている“棗”(なつめ)=抹茶入れは、ナツメと形が似ていることから、棗と呼ばれている。
4〜5月頃、淡黄色の小さな花が咲き、実は、最初、淡緑色で、熟すと赤茶色になる。甘酸っぱい味をしていて、生より乾燥した方が、甘味が強い。(クロウメモドキ科)

−栄養−
新鮮なナツメは、ビタミンCに優れている。
カリウムの含有量も多い。
乾燥ナツメは、エネルギーが高い。
カリウムの含量が非常に多く、マグネシウムも多い。

−薬効−
熟した実を4〜5日干し、20〜30分蒸し、再び日干しし、乾燥させたものを、大棗(たいそう)といい、生薬のひとつ。
小児の夜泣き、風邪やひきつけ、胃けいれんの鎮痛、精神安定剤として不眠症やヒステリーによい。
緩和、鎮静効果があり、他の薬の作用をおだやかにするので他の生薬と配合した漢方薬が多い。利尿作用もある。

大棗を細かく切り、ホワイトリカーとグラニュー糖を加えいれ2ヶ月以上冷暗所においておくと大棗酒(たいそうしゅ)という果実酒ができる。滋養、強壮に。不眠症にもよい。


−保存−
生ナツメは冷蔵。乾燥ナツメは密閉容器に入れ、熱・光を遮断すれば、長期保存が可能。

乾燥ナツメは、そのままか加熱をして食べる。
デザート、スープ、シチューに。マリネやジュースにも。


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